これからはGenerative ArtとAI Artのまとめを、、と先週言ってましたが早速違う話題をお送りしてみます。ニュースが無いわけではないけど
Generative Artの作品が販売されるプラットフォームとして長いことArt Blocks1強、というかそれしかない状況がありましたが最近色々と個性的なプラットフォームも出てきたのでちょっとまとめてみました。
Art Blocks
まずは何はなくともArt Blocks
Snowfroが創設したNFTとしてGenerative Artの作品を提供する最も有名で最大規模のプラットフォーム。ちょうど1年ぐらい前に書いた記事があるのでぜひそちらを(省力化)Art Blocksってなに?
と言いつつ1年経ってArt blocksも変わっているし書いた人の知識も変わっているのでちょっとアップデートを置いときます
Art Blocksの作品のキュレーションプロセス
アーティストがプロジェクトを提出し、そのプロジェクトがArt Blocksの基準を満たしているかどうかを評価するプロセスがあります。これには、アートの品質、アーティストの信頼性、プロジェクトの技術的な側面などが考慮されます。
キュレーターの人たち紹介(強そう)
コレクションの種類
Art blocksのコレクションはCurated、Presents、Explore、コラボの4種類。
それぞれの違いとして↓のような感じ
Curatedはキュレーション委員会の最も厳しい門を潜った作品
PresentsはArt Blocksとしてリリースする作品の基準を満たした作品
Exploreはこれまで2つの記念的な作品がリリーされたコレクション
コラボは2023/7現在Pace GalleryとBright Momentsがコラボ先となってリリースされた作品がいくつかある
Art Blocksはリリースされる作品のアーティストのインタビュー記事など充実していて、それを読むとますます作品が欲しくなってきます笑。コンテンツの充実、怒涛のリリース、多くのイベントとやっぱり王者の風格がすごいです
Bright Moments
作品の販売プラットフォーム、というよりはアーティストとコレクターが直接会話し、Artをその場で見て体験して、作品が生まれる瞬間に立ち会い出会いを特別な場として作り上げるという、他にはないアートx体験を提供しているBright Moments。
こちらも詳しくはイベント前に書いた紹介記事「Bright Momentsの東京でのイベントに向けて」を(省力化)と言いつつそれだけではあれなのでまずは記事の要約
Bright Momentsは、アートが共に創造され、共に消費される環境を作ることを使命としています。アーティストとコレクターが共にジェネラティブアートが生まれることを見守るリアルmintの体験を提供します。
Bright Momentsはこれまで5つの都市(ベニスビーチ、NY、ベルリン、ロンドン、メキシコシティ)でアートイベントを開催し、5月には東京で開催されました。今後はブエノスアイレス、パリで開催され、世界各地を回るツアーは来年4月のベネツィアが最終の都市となることが決定しています。
イベントではアーティストのトークセッションやワークショップ、Crypto CitizensのIRLでのLive Mintなどが行われます。
イベント期間中には、アーティストごとのコレクションのイベント+Mintが行われます。これには、トップレベルのアーティストたちが関わります。
東京では実際に何が行われていたのか振り返ったMASSAGE MAGAZINEの素晴らしい記事があるのでぜひそちらもどうぞ
Bright Moments Tokyo – Behind the scenes 人とアートを相互接続する空間
Bright Momentsは何といっても世界の各都市をめぐってのIRLイベントでのmintが特徴。各都市で作品をリリースしてきたアーティストも有名なアーティストが数多く集まっています。
イベント開催後も開催都市では継続的に作品のmintやイベントが継続されています。東京でもそろそろ。。という話も
Verse
一番最近リリースされた”Yamabushi Horizon”が(個人的に)大きなインパクトがあったVerse。
”Yamabushi Horizon”の作者のRichard NadlerはArt Blocksでは作品を出していないですが、そのようなアーティストの作品のフロアが2ETHを超えていることはArt Blocksを経由しなくてもアーティストの評価、作品の評価が形成されるという意味でちょっとインパクトがあることだな、とも思ってます。
コンテンポラリーアートでのディーラーのキャリアを持つファウンダーやテートブリテンの元キュレーターなどNFT外のアートの世界でのバックグラウンがあるメンバーが立ち上げたVerseは、歴史的に一部の人の特権であった美術品収集の民主化を目指しています。Verseはまた、アーティストが新しいメディアで創作する力を与え、アートと見なされるものの可能性を広げることを目指しています
Verseは彼らがリリースする作品をNFTに慣れていないコレクターでもコレクションできるようにオフラインの展示を開催し、仮想通貨以外での購入の手段を提供しています。
これまでQubibiやMelissa Wiederrechtの作品など多くの作品がリリースされてきています。作品によってはリリース前にギャラリーに展示されコレクターがそれを鑑賞後にmintするということもあります。
これからは8月にHarvey RaynerとZach Liberman、10月にWilliam Mapanの個展と作品のリリースが予定されているようで楽しみです。
Tonic
Verseと同様にコンテンポラリーアートの世界でのキャリアを持つメンバーによって創業されたTonic。CEOのSusannah Maybankはカゴシアンの受付嬢としてキャリアをスタートさせ、同ギャラリーのデジタル販売プログラムのパイオニアとしてデジタル部門の責任者を担当したキャリアを持っています。
彼らの特徴の一つがTonicで販売されたNFTのホルダーは作品につき1枚のプリントを彼らのサイトからオーダーすることができます。mintで購入した場合は$50の印刷用のクレジットがもらえるため30cm x 30cmまたは30cm x 40cmの印刷を無料でオーダーできます(送料は別)
これまでは2ヶ月に1回のペースで比較的アーティストを絞って作品をリリースしてきていてStefano Contiero、william mapan、Iskra Velitchkovaなどの作品がリリースされてきています。今後のラインナップはLars Wander、Emily Xieが予定されています
https://twitter.com/tonic_xyz/status/1669769302558269440?s=20
Tonicで販売される作品についてはサイトのFAQの中に「現在、Tonicのアーティストは、購入時にブロックチェーン上で鋳造されるコレクションを事前に生成している。」という説明があるので販売される作品は、いわゆる"Long-form generative art“ではないと言えそうです。
完全に個人的に感じてることですがArt Blocksはレギュレーションと審査のプロセスがかなり厳しいことと、これまで世に出たコレクションの数が増えたことでアーティストが技術力や表現としてなにか差別化しないといけない、という傾向がありそうで、コレクターが求めるものとの間でのずれが少し起こっているようにも感じます。
そういう意味では、自分もこれらのプラットフォームで好きな作品を購入できているので方向性が少し違うプラットフォームが増えて選択肢が広がっていくのは良いことだな、と思っています。
この他にもTenderやFxHashがありますがそちらについてはpochitaさんの素晴らしいまとめがあるのでそちらを是非読んでみてください!
それでは今回この辺で!
AI Artのもやるかもしれないしやらないかもしれない